歯の神経治療をした歯が変色してくる理由と治療法
歯の神経が死んでしまうと歯の色は変色するということをご存じの方はまだまだ少ないと思います。
歯の神経が死んでしまうとその歯は「失活歯(しっかつし)」と言われる歯になります。
歯の神経が死んでしまうとどうして歯が変色するのか?また変色してしまった歯の治療方法はどんなものがあるのかお話します。
歯の構造はこうなっている
歯の外側はエナメル質という硬い組織で覆われていますが
その中には歯の神経(歯髄)という部分があります。
歯髄部分は軟らかい組織なんです。
軟らかい組織の中には血管や細かい神経があります。
この軟らかい組織の部分を「歯の神経」をよんでいます。
歯髄の外側にある象牙質を作ったり、象牙質内に存在する象牙細管という管を通じて象牙質に栄養を補給したり、余分なものを回収したり、様々な刺激を痛みとして伝えたりと、いろいろな働きをしています。
歯は歯髄があることで血液や栄養を運びます。
栄養が運ばれているので噛む力にも耐えられる構造となっているのです。
歯髄の周囲には象牙質、その外周にエナメル質があります。
エナメル質はほぼ結晶の構造をしていて半透明になっています。
エナメル質が半透明のため、象牙質の色が外側に透けて見えています。
歯の神経が死ぬと歯が変色する理由
歯の神経をとる治療をした歯や、歯の神経が死んでしまった歯は、今までのご自分の歯とはまったく違います。
今までのご自分の歯が生きている歯(生活歯)に対して、歯の神経を取った歯は死んでいる歯(失活歯)となります。
歯の神経を取った歯は強度が10分の1まで一気に落ちます。
神経と血管を一緒に取り除いているため栄養がいきわたりません。
そのため枯れ木のような状態になってしまっています。
歯の神経の治療が終わった瞬間はまだ歯の色はそれほど変わっていません。
しかし歯の神経の治療をし、その後期間が経つとだんだんとその歯の色は黒くなっていきます。
歯の神経を治療した時点で歯に送られてくる神経や血管は切断されていますので栄養は供給され続けるということではなくなるのです。
ですから過去に治療した歯であっても期間が経つと栄養が充分行き渡ることはできませんので、歯の色が変わってきたりします。
また長年使っていると封鎖されてバイ菌が入らない状態であったとしても、ヒビが入ったり亀裂が入ったり、そういうところからさらにバイ菌が入ってきたり。
そしてまた色が変わっていくのです。徐々に徐々に進行する場合、この場合も痛みをあまり感じることはありません。
変色してしまった歯の治療方法
歯の神経が死んで歯(失活歯)の変色への治療方法はいろいろとご提案ができます。
ご自分の他の残っている歯の状態と色合いを合わせたりもできます。患者さまがどんな歯にしたいのか?によってさまざまです。
主には変色した歯の周囲を一層削りかぶせ物をかぶせてしまう方法になります。
見た目をきれいに見せるためにはかぶせ物をする方法最適です。 ただし、歯の周囲を一層削らなければいけないというデメリットもあります。
そして、選ぶ被せ物にも注意が必要です。強度があり変色を起こさない自然な材質を選びたいとなると保険診療ではなく自由診療の材質となります。
また、盲点となっているのは歯の芯棒に使う「金属」の問題です。こちらも注意が必要です。
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