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歯の神経を取ったのに痛い方の治療法
吉本歯科医院へのお問い合わせで大変多く頂くものがあります。
「他医院で歯の神経を取る治療をし終わったはずなのに痛みがひかない」というご相談です。
歯の神経を取ったのに痛みを感じる場合には必ず原因があります。
歯の神経を取った歯が痛い原因
考えられる原因は2つあります。ひとつづつお話します。
①見つけられていない神経がある場合
「歯の神経は取っている歯なんですが、痛みが取れないんです」「歯の神経治療をして、治療は終了したと言われたが痛み半年たったもおさまらないんです」
このようなご相談は大変多いです。
通常、奥歯の場合歯の神経の入口は3つしかない、と教科書では教えられています。
しかし、実際に私が日々患者さんのお口の中を診せて頂き根管治療(歯の神経治療)をしていく中では歯の神経の入口は4つ、5つ目ある方がかなりの数でいらっしゃいます。
歯の神経の入口が4つあるケースは珍しいことではなく吉本歯科医院で患者さんを診させて頂くだけでも歯の神経の入口が3つなのは10人のうち5人程度です。
残りの5人の方は、歯の神経の入口は4つ目、5つ目と見つかります。
歯の神経の入口が3つしかないと思って3根管だけ治療したとします。見つかっていない4つ目、5つ目の神経は治療されずに放置されたままです。痛みが取れるわけは、ありません。
歯の神経の入口は3つだと、思い込んでいたら見えません。4つ目があるかもしれない、と思っているから4つ目を見つけることができます。あると思うから、見つけることができるのです。
4つ目、5つ目の神経の入口を見つける時に役に立つのが、マイクロスコープ(手術用顕微鏡)です。
神経の入口は3本に見えます。
しかし白い点だった穴を針で広げていくと4本目の歯の神経の入口が見つかりました。
4本目の歯の神経の入口が見つけることができたため4本目の歯の神経を消毒することができます。そこにバイ菌がいるから痛みを感じるのです。消毒し、菌を殺せば痛みは消えました。
こういうことが吉本歯科医院では当たり前に行なわれています。マイクロスコープという手術用顕微鏡を使えばどうなるんでしょうか?
はっきりと見たいところが見えます。もし将来もっといい顕微鏡が出てきたら、おそらくもっと今では見えていないものが見えてくるようになるかもしれません。
②すでに死んでしまっている歯の神経の残骸が原因の場合
歯が痛かったけれど痛み止めを飲んでしのいでいるうちに痛みがなくなったという体験をされた方はいらっしゃるかと思います。これは「治った」のではなく「歯の神経が死んでしまった」から痛みがおさまったということがあります。歯の神経は死んでしまうと痛みが治まります。
多くの方は歯の神経治療と言えば歯の神経を取る治療というのは歯の神経を抜いてしまう治療だと思われていますが、それだけではありません。
すでに死んでしまった歯の神経の死骸をきちんと除去し歯の根管の中をきれいに消毒するということも歯の神経治療には含まれています。
ばい菌に侵され死んでしまった歯の神経は生ゴミが腐敗している状と同じです。腐敗しているのでにおうと臭いです。腐敗した臭いの口臭がする原因にもなってしまいます。もちろん口臭ですので自覚症状は、ありません。気が付かないので死んだ歯の神経の残骸は放置され続けます。
そうすると歯の神経は死んではいるんだけれども、周りの骨や歯茎が溶かされることにより顔が腫れてくるような方までいらっしゃいます。もうすでに痛みもなく歯の神経も死んでしまい歯の神経の死骸が悪さをしている場合には一刻もはやく治療を行なわないと全身に対して影響を及ぼします。
歯の神経治療とは単に神経を取り除く治療ではなくすでに死んでしまった歯の神経の死骸をきちんと除去し歯の根管の中をきれいに消毒するということを意味するのです。
まとめ
歯の神経を取ったのに痛い場合にはその原因を突き止める必要があります。ひどい方では半年から1年ちかく痛み止めの薬を飲んでしのいでいたり歯科医院で消毒を繰り返したりという方もいらっしゃいます。菌がそこにいる限り痛みは続きます。放置しておくと歯を支えている骨まで細菌が侵入し骨を溶かしていくことさえあります。まずはご相談下さい。