香川県 高松市の
かみ合わせ専門歯科医院
吉本歯科医院の吉本彰夫です。
歯の神経が死んでいる
歯の神経を取らないといけない
歯の神経が死にそうだ
歯の神経が痛む
このようなお悩みを抱えて
高松市の吉本歯科医院には患者さんが日々
お越しになられます。
歯の神経治療に関しては
患者さんご自身でも、
ご自分の歯の神経が
今、生きているのか?
死んでいるのか?
死にかけているのか?
それとももう死んで腐っている状態なのか?
そもそも、歯の神経を昔に取り除いている状態なのか?
ご存知ない方がほとんどです。
歯の神経が死んでしまう
とは一体どういう状態を示すのか
お話します。
たとえば
歯に食べ残しがあったとします。
歯と歯の隙間や
奥歯と奥歯の間に
食べかすがごっそり詰まっている
ということは
誰にだってありますよね。
しかし長い間
食べかすが詰まったままだと
食べかすが詰まった部分に
虫歯菌が繁殖していきます。
そうすると
歯の表面が一層溶けていきます。
この段階になると
歯がしみるようになってくるんです。
そこで
「ま、いいか、我慢するか」
「前にも歯がしみたことがあったけど
ほっといたら治ったから、ほうっておこう」
と
歯がしみていた状態を放置すると
歯に穴が開いていきます。
歯が溶けて
歯に穴が開いてくるんです。
バケツに水が入っていると思って下さい。
バケツに小さなキズがあったとしも
大した問題は起こりませんよね。
でも
バケツにキズが付き
穴があくと中に入っている水が
溢れ出します。
これが
穴が
歯の神経・血管に到達した状態
です。
そこには防ぐことの出来ない穴が
開いてしまうのです。
堤防が決壊した
川の状態です。
こうなるともうバイ菌が入り放題です。
硬い壁、
エナメル質、
歯の壁、
象牙質
で覆われていた
歯の神経や血管が露出してしまうのです。
バイ菌にとって
神経や血管・血液は重要な栄養素なんですね。
ばい菌にとって
は美味しい大好物なのです。
もちろん
人間の体はバイ菌が入ってきた時には、
そのバイ菌に対して戦おうという免疫という防御機構があるんです。
でも
あまりにもバイ菌の量が多いと
防御機構で喰い止めることはできません。
どんどん中にばい菌は侵入してきますので
バイ菌は
どんどんどんどん増殖を続けていきます。
最初は歯の表面だけだった。
しかし、歯の神経・血管にまで到達することで
バイ菌は一気に
歯の神経・血管をやっつけていくんです。
最初のうちは
歯がしみる
歯が痛む
ズキズキ
ということが起こっていくんです。
痛みを感じる
ということはバイ菌と戦っている証拠
です。
歯がしみるのは
歯の神経がまだ生きている証拠
とお考え下さい。
ばい菌との戦いに負けると
歯の痛みは感じなくなって
いくのです。
歯を治療せずにほったらかしにしていたら、
「歯がボロボロと欠けていった」
「痛みが和らいだ」
「痛みが止まった」
ということが、あるかと思います。
歯が痛い時に
痛み止めの薬を飲むという行為は、
ばい菌と戦っているんだということを
脳に知らせようとしているを
警告を無視しろということなんですね。
でも、痛くてしょうがないから
薬のんじゃいますよね(泣)
これが痛み止めの薬の仕事なのです。
特にここ数年は
以前であれば病院を受診してからでないと
もらえないような処方箋並みの強い痛み止めの薬が
日常的に薬局で買うことができるようなりました。
一般の方が誰でも簡単に
痛みをおさえる強い薬を手に入れることができてしまいます。
みなさんも
きっとお持ちですよね?
強い痛み止めが手に入りやすい
影響もあってか
虫歯が本当に進んでしまってから来られる方が
増えています。
さらに
お口の中にバイ菌が繁殖し、
鼻の部屋まで突き抜けていたり
歯を支える骨まで溶かしている
ケースも少なくありません。
年齢がお若くても関係ありません。
実際にまだ30歳の若さでも
歯を支える骨がかなり溶けてしまっている方は
いくらでもいらっしゃるです。
歯がしみるなあ
歯が痛いなあ
ってことを放置し
「痛み止めの薬」でその場限りの
痛みを止めを繰り返してきた方は
すでに
歯の神経が死んでしまっている
ことが、多いのです。
もちろん
私も現代に生きる日本人として
毎日忙しいことは十分承知しております。
歯がしみるくらいで
歯がちょっと痛いくらいで
歯医者に行ってる時間の余裕なんてない
と思われるお気持ちも
痛いほど、わかるんです。
歯が痛いのは困るから
仕事にならないから
とりあえず
痛み止めの薬でその場をしのいでおこう
とお薬を飲んでしまう
お気持ちは
よく、わかるんです。
しかし
残念ながら歯は自然に治りません。
風邪のように
日にち薬で栄養を取って寝たら治る
というものでは、ないのが歯なんです。
どんどん悪い状況になっていきます。
そしてとうとう
歯の神経や血管が死んでしまった時には、
逆にまったく痛みを感じなくなってしまう
という状態に入っていきます。
バイ菌の勝利です。
戦いに勝利した
バイ菌達はそこからどうすると
思いますか?
ばい菌たちはさらに
歯の奥へ奥へと
侵入して行くんです。
そして
歯の根っこを越えて、
根っこ周囲にある
骨や歯茎を溶かしていく
ということになるんです。
自覚症状のないまま、です。
骨が溶けている時に
痛いといった症状はでません。
歯を支えていた骨を
どんどんどんどん
溶かしていくのです。
歯の神経が死んでしまったとしても
ばい菌に殺された歯の神経の死骸を
きれいに除去することをしていないと
バイ菌はずっと生きているまま、です。
歯の神経を殺しただけなく
今度は骨や歯茎さえも
侵食していくのです。
バイ菌の住処である歯の根っこ(根管)の中を
早く掃除してあげないと
どんどんどんどんバイ菌は奥へ奥へと入っていきます。
歯の神経を取る治療というのは
読んで字のごとく
歯の神経を取る治療だ
と思われている方が多いのです。
しかし
実はそうではないのです。
すでに死んでしまった歯の神経の死骸を
きちんと除去し
歯の根管の中をきれいに消毒する
ということを
意味するのです。
ばい菌に侵され
死んでしまった歯の神経は
生ゴミが腐敗している状態と同じです。
腐敗しているので
におうと
臭いです。
とても、臭いのです。
発酵食品を思い浮かべて下さい。
発酵がすすむと
膨らんできますよね。
つまり
腐っていくとガスを出すんです。
ガスが出ると
圧力が高まります。
そうすると歯の神経は死んではいるんだけれども、
周りの骨や歯茎が溶かされることにより
顔が腫れてくるような方までいらっしゃいます。
すでに
歯の神経の治療で神経を取ってしまった方でも
バイ菌に侵された場合には
いきなりこの状態にまでなってしまうこともあります。
顔が腫れてしまっているような場合には
一刻もはやく歯の根っこの中を
バイ菌を減らしてあげる
ということが必要です。
また
歯を支えている骨を溶かしたバイ菌達は
最後はどこへ行くのでしょうか?
実は
歯の神経というのは脳と繋がっているのです。
例えば指先を考えて下さい。
指先の神経は指先だけでしょうか?
違いますね。
指先は脳から繋がった神経
なのです。
神経の一部に過ぎないのです。
つまり
バイ菌は歯の中の神経だけを死なせるわけではなく、
歯の外の周囲の骨や歯茎の神経も殺して行きます。
そして骨を溶かしていくのです。
そしてとうとうその奥には太い神経・血管が控えているのです。
そこにたどり着いたバイ菌はどうなるんでしょう。
一気に全身を巡って行ってしまうのです。
心筋梗塞
という病気を
ご存じでしょうか?
心筋梗塞とは
心臓の血管にモノが詰まり
血が流れにくくなってしまった状態
のことです。
動脈硬化や全身糖尿病などが大きくとりあげられ
血管に詰まっているのは何だろう?
と研究した先生がいらっしゃったんですね。
なんと
血管に詰まっている物の中に
いくつもの
口の中の歯周病菌、バイ菌が
見つかっているのです。
これはつまり
口の中にいたバイ菌が
心臓の中で発見されたり、
誤嚥性肺炎といって肺炎の中で
肺炎球菌といっしょに肺炎を起こしている状態です。
ばい菌は口の中だけに留まらず
全身にまで影響を及ぼしているのです。
ですから歯の神経の治療をした方が良いのか、
しない方が良いのかと単純に考えたならば
神経の治療は神経が生きているのであれば
残せる方向で治療してもいいと思います。
しかし
もうすでに痛みもなく
歯の神経も死んでしまい
歯の神経の死骸が残っている場合には
一刻もはやく治療を行なわないと
全身に対して影響を及ぼします。
また上の歯の場合には
歯の根の奥には
鼻の部屋があります。
鼻の部屋に
バイ菌が侵入していってしまうのです。
口から食べたものが
鼻から出てきて困る
という患者さんも
実際にはいらっしゃいます。
ただ単に歯や口だけの問題ではなくなり、
鼻の手術を含めた処置が必要になったりもするのです。
水の入ったバケツに穴が開いた場合には
水が流れ出ます。
どんどん流れ出ます。
決して歯の1本を最終的に抜けば済む
という問題ではなくなることもあるのです。
歯の神経を取ることひとつをとっても
知らないではすまされない重要なことが
あります。
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