抜歯になる可能性の高い歯根破折の症状と原因とは?
香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。
歯の根っこ部分にヒビが入ったり、歯の根が割れたり、折れたりしてしまう症状を「歯根破折(しこんはせつ)」といいます。
歯根破折が生じた場合、症状の改善が難しいため、多くのケースで抜歯となる可能性が高くなります。
虫歯や歯周病と違い「定期的な歯の掃除」だけでは予防しきれない抜歯リスクの高い歯根破折の症状・原因についてお伝えします。
歯根破折の症状とは?
噛んだ時に歯に鈍い痛みや違和感を感じる場合は、歯根にヒビが入っていたり、割れている可能性があります。また、歯根破折が生じてしまった歯は周辺の歯茎が腫れ、痛みを強く感じるようになります。さらに歯の根の部分にまでヒビや割れた部分から細菌が侵入するため、歯根の先端部分に膿が溜まり、歯茎にニキビのようなできものができる場合もあります。歯根破折が生じた歯は、噛み力で歯が少しずつ外側へと拡がっていくため、詰め物や被せ物を装着している場合は取れやすくなります。
歯根破折の原因について
①噛む力が強い
噛み合わせが元々悪い方や、加齢により噛み合わせが悪化した場合は、一部の歯に大きな力がかかるようになってしまいます。奥歯は噛んだ時にかかる力が大きく蓄積された歯のダメージによって歯根破折が生じやすい部分です。虫歯や歯周病がない方でも歯根破折は起こります。歯も長年使い続けることにより経年劣化します。50歳前後からは歯根破折が起こりやすくなるため注意が必要です。歯を喰いしばるスポーツをされている方や、重いものを持ちあげる肉体労働をなさっている方は奥歯にかなりの負担がかかっている場合もあります。
②歯ぎしり・喰いしばり
歯ぎしりや食いしばりは、歯根破折の大きな原因です。また、顎や歯に大きな負担がかかります。特に就寝中は無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりをしています。99%の方は歯軋りをしますので年齢を重ねるごとに少しずつ歯が擦り減り、蓄積されたダメージによって歯根が割れたり、折れたりする可能性が高くなります。
③虫歯が進行している・神経のない歯がある
虫歯が進行している歯や神経のない歯は、正常な歯に比べて脆くなります。特に神経を取り除いている歯については、強度は10分の1程度まで落ちていますので残存している歯の厚みが薄かったり、歯に栄養が供給されなくなることによって歯の耐久性が低下します。そのため、過度な力がかかると歯根破折が生じる可能性があります。過去に歯の治療で神経を取っている歯は非常に折れやすく割れやすいので特に注意が必要です。
④銀歯や金属の土台が入っている
虫歯治療で金属のかぶせ物(銀歯)や金属の土台を入れている場合は注意が必要です。金属は耐久性の高い素材ですが、天然歯よりも硬いため、咬合力が強い場合などは歯根に大きな負担がかかってしまい、歯根破折が生じる場合があります。
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